久保建英マッチレポート U24日本代表VSU24ホンジュラス代表(2021.7.12国際親善試合)

久保建英マッチレポート U24日本代表VSU24ホンジュラス代表(2021.7.12国際親善試合)

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試合結果

3-1 日本勝利

試合トピックス

12分 日本、久保のクロスに三好があわせるがゴールポストに阻まれる

13分 日本GOAL>>久保のFKに合わせた吉田がゴール

40分 日本GOAL>>ペナルティエリア内の林の落としに堂安があわせゴール

66分 ホンジュラスGOAL>>日本のパスミスからゴール前にボールが流れ、冨安のオウンゴールとなる

76分 日本、三好の縦パスに反応した前田がGKと1対1になりシュート。しかしキーパーがセーブ

85分 日本GOAL>>カウンターから相馬が左サイドの敵陣深くに侵入しグラウンダーのクロスを送る。それに堂安が反応しゴール

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久保・日本代表詳報

両チームにとって、五輪に向けた直前のトレーニングマッチとなった一戦。

日本にとってはチームコンディションを上げていくプロセスのゲームであり、ホンジュラスにとってはそれに加え日本のピッチや雰囲気に慣れるための試合であった。

ゲームそのもののクオリティについて語る意味は大きくない試合であったが、開催国である日本にとって勝利で終われたことは勢いをつけるという意味では良かったことだろう。

ただ、この試合で最も感じたことは、やはり歓声が小さいと、ホームのメリットがほとんどなくなるということだ。この試合ではルール通りの人数の有観客で行われたが、それでもかなり静かであったため、日本にとって試合の重要な時間帯(前半の一気呵成にいける時間帯、後半相手にペースを渡した時間帯)に会場における感情の起伏をつくれず淡々と時間が進行してしまった。

ましてや本番は無観客である。こうした雰囲気の試合になってしまう可能性が高い。その中では、いかにピッチ内の選手たちが感情を燃やしチーム全体でそのテンションを表現することができるか、がプレー内容よりも結果に影響する要素になってくるのかもしれない。

なお、トレーニングマッチであるが、直前ということで戦術面にも触れておきたい。この試合から代理監督であったコーチから森保監督へと指揮する人物が変わったが、戦術はこれまでの通りとなっている。4枚のディフェンスラインに1枚のトップ、5枚の中盤だ。いわゆる4-2-3-1である。

本番もこのフォーメーションで臨むと見て間違いないだろう。

内容については、ショートカウンターについてはこれまで通り機能していたが、主導権を握った攻撃はこれもこれまで通り久保が適切なポジションを取りそこでボールを持つ時間のみに限定された。特にサイドで数的有利をつくった攻撃ができていないのは問題だ。本番までに詰めて欲しいところだ。

また、采配ミスも散見された。後半スタートに久保を右サイドに張らせたが、これにより相手にペースをプレゼントし付け入る隙を与えてしまった。久保の体力的な負担を考慮したとも考えられなくもないが、チームに唯一流動性をもたらす久保の戦術眼に基づく自由な動きを束縛することは、このチームにとっては明らかにマイナスだ。相手も久保が右に張り付いたことで守りやすくなった。

その後久保は恐らく独自の判断で、前半同様トップ下と左サイドに顔を出すようになり、それにより試合の流れをやや取り戻したが一度渡したペースを国際試合で完全に戻すことは至難の技だ。

こういう采配ミスは本番では絶対にしないでほしい。

さて、久保であるが、この日は1点目のアシストはしたものの得点は奪えなかった。そのため合格点を与えることはできない。

繰り返すが、彼のこのチームにおける評価基準はゴールだからだ。チームの流動性をつくり、ゲームメイクをし、周囲の縦への推進を促し、アタッキングサードでは決定的な崩しを担い、セットプレーもすべて担当し、左足でチームにゴールをもたらすプレーをする、というこれ以上ないほどの戦術上の責任と役割を担っているが(まるでモドリッチ+メッシのような)、そうした大きな負担の中でも彼はゴールを奪わなければならない。そういう選手である。

だが、一点、良かった点がある。それはコンディションだ。6月シリーズはシーズン終了直後ということもあり、かなりコンディションがきつかったように映ったが、この試合では本番に照準を合わせ戻してきたような印象だ。身体は軽やかでボールとピッチに足もしっかりフィットしていた。

本人も本番に向け闘志をたぎらせているのだろう。スタートポジションは中央だが、右、左とこれまで以上に戦況を見極め、積極的に顔を出した。前線からの守備にも誰よりも果敢に走った。走行距離は恐らくチーム一だろう。

しかし老婆心から一つ言わせてもらえば、気合が入りすぎているのかもしれない。本番はこれまで以上に気温も上がり、試合間隔も短い。このプレーペースでは試合中、大会中に息切れしてしまうだろう。

彼がいなくなると途端に攻撃ができなくなるのが今の日本だ。

本人にはピッチ内でもう少しサボる時間をつくってもらいたいし、監督には彼に対する適切なマネジメントを期待したい。

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