久保建英マッチレポート シワススポルVSビジャレアル(2020-2021ELグループリーグ⑤)
- 2020.12.04
- サッカー

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試合結果
0-1 ビジャレアル勝利
試合トピックス
18分 ビジャレアル、左からのクロスボールからコクランがヘディングシュート。ポストを叩く
57分 久保OUT、ピノIN
74分 ビジャレアルGOAL>>左サイドバックのコスタからのグラウンダーのクロスをゴール前でチュクウェゼが合わせゴール
久保・ビジャレアル詳報
ビジャレアルにとっては、勝ち点3を獲得しグループリーグ突破を決めたことから最低限のノルマを達成したと言えるが、リーガ3節で大敗したバルサ戦を除けば今季最も低調なゲームと評して差し支えないだろう。
リーグ戦とのターンオーバーに加え、けが人も複数出ている関係でスタートの陣容がここまで出場時間に恵まれていないメンバーが多くなっていたことが大きな理由だろう。そのせいで普段のリズムがつくれなかった。
加えて、一戦目の反省を生かしてかシワススポルは両サイドにスペースをつくらなかった。ビジャレアルの攻撃のキーが両サイドにあることは自明の理であるが、ここのケアを90分欠かさなかった(そのせいで攻撃は迫力不足であったが)。
これら二つの理由でゲームは低調なものとなった。
にも関わらず珍しくエメリは戦術をいじらず90分を戦っている。内部あるいは監督にしかわからないスカッドの状態もあったのだろうが、今ひとつ解せない采配であった。
特にこの試合における攻撃のキープレーヤーとしてスタメンで起用された右の久保と左のチュクウェゼは機能したとは言い難かった。
久保の左サイド起用を信用できていないエメリは、チュクウェゼを左に配置したが、これまで同様彼が左での適性に乏しいことが証明されてしまった。
非常に中途半端な采配に見える。久保に左での時間を長く与え慣れさせたほうがチームビルディングにおけるメリットは大きいはずであり、筆者はこの試合左で使うと思っていたからだ。エメリの迷いが見て取れる采配であったかもしれない。
加えて、相手のシステムや戦術を考えれば、右久保、左チュクウェゼを固定する必要はなく、遅くとも後半スタートから久保をトップ下、チュクウェゼを右に置いてもよかった。そのほうがリズムが生まれ局面を打開する機会もできたはずである。
結局そうすることを選択せず、リーグ戦のレギュラーメンバーを次々に投入することでリズムをなんとか引き戻すことを選択している。
勝てたからよかったものの勝てていなかったら議論を呼ぶ采配になっていたであろう。
さて、久保であるが、スタメンで出場したものの、一時期取り戻した良いリズムをまたしても失いかけている印象だ。毎試合変わるプレーポジションとそれにより求められる戦術的なミッションの細かい違いに悪戦苦闘しているのかもしれない。
リズムを失うとミスも増え、ミスが増えると自信も失う。自信を失うと自分のストロングポイントを発揮できなくなりリズムを失う。このネガティブなサイクルにまたしても足を突っ込んでいる印象だ。
精神的な疲弊が増え、プレータイムの短さからチームのリズムに乗り切れないレギュラー当落線上の選手が陥る一般的な現象でもあるが、これを乗り越えなければキャリアアップはない。今が踏ん張りどころだ。
今こそ昨シーズンのマジョルカでのプレーイメージを思い出してほしい。同じようなシチュエーションに陥っていたものの自信を失わず仕事に取り組んだはずだ。
例えばドリブル。この試合でも1プレーでかわす得意なプレーはいくつか見せたが、サイドでの局面では挑む回数がほとんどなかった。
今季は総じてこうしたプレー傾向に陥っているが、これはレギュラーになれていないことからボールを奪われることを過度に恐れていることによるものと考えられる。(もちろん相手の久保に対する研究が深まっておりそれも踏まえた適切な状況判断でもあるため100%間違っているものでもないが)
マジョルカでのイメージを思い出してほしいと言ったのは、100%ではないにしろ高確率で抜ける能力を間違いなく持っているからである。
シュートやパスもそうだ。独特のアングルとリズムで誰も真似できないプレーができるのは間違いない。昨季そして今季ここまで見せた好プレーの数々はモレノも真似できない。
今こそ、久保には不遜なくらいの自信に基づくプレーを望みたい。
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