久保建英マッチレポート バルセロナVSビジャレアル(2020-2021ラ・リーガ第3節)

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試合結果
4-0 バルセロナ勝利
試合トピックス
15分 バルセロナGOAL>>左サイドを駆け上がったジョルディ・アルバのグラウンダーのパスをファティがダイレクトでシュートを放ちゴール
19分 バルセロナGOAL>>カウンターからコウチーニョのパスをファティが落ち着いて決めてゴール
34分 バルセロナGOAL>>ファティのドリブル突破からPKを獲得。メッシが落ち着いて決める
39分 バルセロナ、メッシから始まりセルジ・ロベルトのパスをコウチーニョがシュート。キーパーがセーブ
45分 バルセロナGOAL>>メッシの浮き球のきわどいパスをビジャレアルがオウンゴール
65分 バルセロナ、メッシがカットインでエリア内に進出し左足シュート。キーパーがセーブ
73分 久保IN、チュクエゼOUT。4-4-2の右サイドにそのまま入れ替わり
83分 バルセロナ、メッシのシュート。キーパーがセーブ
88分 ビジャレアル、久保が右サイドからペナルティエリア内に進出。左足でコントロールシュート。キーパがセーブ
久保・ビジャレアル詳報
ビジャレアルは第1節・第2節同様4-4-2でラインナップを大きく変えず試合に臨んだが、終始バルサのペースとなってしまった。ビジャレアルも好チームだが、この日はバルサの状態が良くレベルの差を感じざるを得ないゲームとなった。
バルサはこの試合が開幕ゲームだったためもっと低調なリズムで入るかと予想していたが、予想よりコンディションもテンションも良かった。クーマン新体制のメリットが出たようなゲームとなった。つまり、これまでチームに流れていた安穏な雰囲気ではなく、新監督が来てチームの体制も大きく変わった故の適度な緊張感のあるチームとなっていた。
そんなバルサに早い時間に先制点を奪われ、パス回しも隙がない状態をつくられたため、ビジャレアルの選手は委縮してしまったように見受けられた。普段見せないようなミスも多く出ていた。
また、広いカンプノウではバルサの選手のほうがそのスペースを有効に使え、ビジャレアルの選手は使えなかったのも試合の趨勢に影響したと言わざるを得ないだろう。ビジャレアルは久保の出場までほとんど見せ場をつくれなかった。
さて、久保であるが、この日は73分からの出場となった。それにしても、やはりというかカンプノウとの相性はバルサの選手同様に良いことを印象付けた。他のピッチよりスペースがありボールが走るメリットをビジャレアルで唯一使いこなしていたからだ。
プレーの一つ一つを切り取っても示唆に富むもので、ヴァイタルエリアでのまた抜きのパス、右サイドでの縦パスの呼び込みからグラウンダーのクロス、ジョルディ・アルバの低めに敷いたディフェンスの間合いを活用したフィニッシュ(ジョルディ・アルバの久保に対する間合いの取り方は4点リードの影響もあっただろうがそれ以上に昨季ドリブルで抜かれた経験から間合いを低めに取っていることがうかがえた)、はこの日ビジャレアルで最もレベルの高い効果的なプレーであった。
ミスもなく、ボールも集まっていた。贔屓目なしにビジャレアルのベストプレーヤーと言っても良いくらいの出来であった。
一方、久保を73分から出場させたエメリの采配には疑問が残る。筆者は久保のプレースタイルやカンプノウとの相性の良さ、状態の良さを考えればスタメン起用でもおかしくないと考えていた。
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この日の久保のプレーはそれを証明しているし、久保にボールを集めていたチームメイトもそう理解していたことが明らかだったため、なおさらである。エメリのチームビルディングは4-4-2での縦にソリッドなプレー基盤を構築した後に久保のファンタジーを加える算段だと理解はしているが、この試合展開なら話は別だろう。少なくとも後半スタートから久保を使うべきであった。
エメリが消極的で中途半端な采配に終始したのは、監督人生においてカンプノウで勝ったことがないことと主に心理的な面で関係しているのかもしれないが。
いずれにせよ、リーグ3節目で大敗を喫し、次節はミッドウイーク(週中)での開催となる。精神面も含め立て直しが急務である。
チームの置かれているシチュエーションを考えれば久保のスタメン出場の可能性が高まっていることは間違いない。この日はライバルであるファティに見事な2ゴールを目の前で決められ改めて闘志をみなぎらせていることだろう。状態はいい。今シーズン初ゴールを期待したい。
なお、余談であるが、ここまでの3試合を通しての久保は評価できるプレーを連発していることは確かであり日本人から見ればクオリティを見せてくれていると一定程度喜ばしく思う内容かもしれないが、スペインのメディアやファンはそうではないだろう。
久保は、ワールドクラスあるいは来季マドリーでプレーする可能性の高い選手としての物差しでの評価となる。まだまだ物珍しいただの有望な若い日本人選手では既にない。この試合でファティが結果を出したこととの比較も含め評価を高めるにはゴールという結果を出すしかない。
未だかつて日本人選手の誰も足を踏み入れたことのない競争領域だが、そこで評価をまた一段高めることができれば頂点への道が大きく開けるはずだ。
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