久保建英マッチレポート ビジャレアルVSバレンシア(2020-2021ラ・リーガ第6節)

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試合結果
2-1 ビジャレアル勝利
試合トピックス
6分 ビジャレアルGOAL>>パコ・アルカセルがPKを決める
27分 ビジャレアル、左サイドバックのペドラサがペナルティエリア内に入り込み、シュート。キーパーがセーブ
64分 バレンシアGOAL>>ゲネスがショートコーナーからミドルシュートを決める
63分 久保IN、チュクエゼOUT
69分 ビジャレアルGOAL>>ペナルティエリア付近で受けた久保がボールコントロールをミスしながらもヒールでパレホにつなぎ、パレホがミドルシュートを決める
92分 久保2枚目のイエローカードをもらい退場
久保・ビジャレアル詳報
バレンシアダービーとなる一戦でエースのモレノを怪我で欠くビジャレアルは、チュクエゼを先発に復帰させ4-3-3で試合に臨んでいる。試合はこれまでと同様、正確なパスワークによるポゼッションのクオリティは高いが、それがゴールへの迫力に効率良くつながっていない展開となっている。
勝利を得たことは地力を感じるが、この課題はチーム全体で改善していく必要があるだろう。このミッドウイークからELも開幕するが、欧州でのコンペティションでは致命的なウイークポイントになる可能性が高いからだ。より縦への展開のバリエーションを増やしていく必要があるだろう。
さて、久保であるが、モレノの欠場の影響もあり、今季最多の出場時間数が与えられている。その中で得点に絡むことはできたが、イエローカードを2枚もらいプロ初の退場を喫している。
退場の要因は、プレーのリズムの悪さによるものだ。プレーリズムが代表寄りでラ・リーガ仕様に補正されていなかった印象だ。
また、精神的なプレッシャーも大きく影響しているのだろう。周囲の出場不出場に対する喧噪が大きくなってきており、監督のエメリも久保の扱いに対してピリピリしてきているはずで、そのピリピリが久保に対するマネジメントに繋がっている可能性が高いからだ。
この試合ではプロになってから見たこともないほど久保がセンシティブになっている雰囲気を感じたのが正直なところだ。退場という結果だけでなく、普段しないようなミスをしたりといったプレーにそれが現れていた。
昨季も様々な初めての経験を物凄いスピードでクリアしてきたが、最近のメディアやファンの騒ぎ方、監督へのプレッシャーのかけ方、それにより本人にかかるプレッシャーは久保にとって未知の領域だろう。
日本人選手としては当然初めての領域であるが、世界最高ブランドを持つクラブであるレアル・マドリード所属のタレントにはこの手のプレッシャーは日々つきまとう。これも乗り越えて欲しい。それがビッグプレイヤーへの大きな一歩になるからだ。
加えて、マジョルカとは段違いのビジャレアルのプレーレベルの高さ、目的意識の高さへのとまどいもあるだろう。しかし、これこそ真のステップアップのための階段である。能力は全く問題ないどころかトップレベルであることに疑いはない。
課題はあるが、プレーリズムを取り戻し自信を取り戻せばそれは間違いなくクリアできる。プレーリズムを取り戻せば結果を出せる。結果を出しこの壁を乗り越えたとき、本人も万人も満場一致で真のワールドクラスと評するプレイヤーになれるはずだ。そしてそれはレアル・マドリードでのプレーという結果で現れるはずだ。
サッカーの世界に限らず有能な人材であればあるほど大きな壁が立ちはだかる。引き続き大きな期待を寄せて追っていきたい。
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