久保建英マッチレポート カディスVSビジャレアル(2020-2021ラ・リーガ第7節)

久保建英マッチレポート カディスVSビジャレアル(2020-2021ラ・リーガ第7節)

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試合結果

0-0 引き分け

試合トピックス

7分 カディス、FKのこぼれ球からネグレドがゴールを決めるが、VARによるオフサイド判定となり取り消し

61分 久保OUT、チュクエゼIN

82分 ビジャレアル、ゴール前のFKをパコ・アルカセルが直接狙うが、キーパーがセーブ

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久保・ビジャレアル詳報

カディスの堅固な守備により、ほとんど見せ場をつくれず引き分けという結果になっている。しかし、ビジャレアルの不甲斐なさというよりは、カディスの健闘が光ったゲームと評価すべきだろう。

今季昇格組のカディスは前節マドリー相手に大金星を上げているが、この試合でも同じようなゲームプランを演じてみせている。ラ・リーガには珍しく守備ブロックを深めにとり、全員で守備を頑張るという単純な戦術であるがチーム全体に迷いが一切ないため、強固であった。

ビジャレアルは中盤でゲームメイクを司るパレホの不在は大きかったが、カディスのセリエのチームのような守備ブロックの敷き方と固さに戸惑った側面も大きかった。両チーム通じて攻撃でのエキサイティングな場面がこれほど少ない試合はラ・リーガでは珍しいくらいだ。

さて、久保であるが、今季リーグ戦初のスターティングメンバーに名を連ねている。ELで結果を出したこと、途中からではなくスタートからのほうが久保のパフォーマンスがチームに還元できると判断しての起用となったと思われるが、それ以上にカディスという引いてくるチームに対し唯一違いを創出できる選手として戦術的にチョイスした側面が大きかったと言えるだろう。

ポジションは4-3-3の右ウイングと考えてもいいが、どちらかというと4-4-2の2トップの一角あるいは4-2-3-1のトップ下と考えたほうがいいだろう。ELシワススポル戦と同じポジションである。右ワイドに張り付くことはせず、2トップを組んだパコ・アルカセルと近い位置でゴールに迫る役割を期待されていた。

残念ながら、60分に交代するまで、チームの状況を変えることはできず、輝くことはできなかった。エメリは久保を獲得した当初から久保に最も求めていることはこういう展開になったとき個の能力やアイデアで局面を打開して決定的な仕事をすることである。

ビジャレアルはレベルの高いチームでパスも判断も正確でほとんどすべての場面において効果的なプレーを見せるが、こういうときに違いを出せる性質を持つ選手はいない。ここまで戦術的な要求も高いが久保に最も求められているのはこういうときに遅攻でも相手のゴールを陥れる術をチームに提供することである。

貴重な戦力としての扱いの根幹はここにあるため結果を出したかったのが偽らざる本音だ。結果を出していれば一気にチーム内で準エースのポジションを確立できた可能性が高いからだ。

ただ一つエクスキューズがあるとすれば、やはり前の試合から間隔が短かったことだろう。今季初の90分フル出場を果たしたELから中2日もない状態での先発起用となっているため流石にフィジカル的には十分ではなかった。

エメリは最初から60分くらいで、これまたELでフル出場を果たしていたチュクエゼにチェンジし、うまく二人の疲労を分散したかったのだろう。(ちなみに、ここで見るべきはチュクエゼと逆の立場ではなかったという点だ。上述したように結果を出したことと戦術的観点から久保を優先して起用している。やはりELで序列を一段上げたことは間違いないだろう)

いずれにせよ、マジョルカでもそうだったが、ビジャレアルでもゴールやアシストという結果が評価の絶対的な尺度であることに変わりはないことが確認できた。

まずは与えられた時間で結果を出すこと、その結果から出場時間を確保し、チーム内での重要なポジションを確立すること、そして自分がやりやすいようにチームを染めていくことが必要だ。

壁の高さは違うが、マジョルカのときと同じ構図である。久保は19歳にしてこの手の経験値は豊富である。自身の中に乗り越えるための引き出しも間違いなくあるはずだ。

引き続き期待したい。

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