久保建英マッチレポート ビジャレアルVSバレンシア(2020-2021プレシーズンマッチ①)

久保建英マッチレポート ビジャレアルVSバレンシア(2020-2021プレシーズンマッチ①)

試合結果

2-1 バレンシア勝利

試合トピックス

8分 ビジャレアルGOAL>>モレノのヒールでのフリックをゴール正面ペナルティエリア手前に走りこんできたチュクエゼが左足シュートでゴール

58分 ビジャレアルシュート>>右サイドのショートコーナーからコクランがペナルティエリア外からミドルシュート。惜しくもGKに弾かれる

65分 バレンシアGOAL>>左サイドのコーナーキックからマキシ・ゴメスがヘディングでゴール

66分 久保IN>>4-4-2の左サイドで途中出場

74分 バレンシアGOAL>>マキシ・ゴメスがペナルティエリア内左サイドから角度のない左足シュートでゴール

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久保・ビジャレアル詳報

ビジャレアルはチュクエゼを中心とした右サイドからの攻撃のみで、左サイドからの攻撃はほぼ皆無であった。チュクエゼをうまく使い右サイドから推進していく攻撃は昨季までのチームとしての積み上げであるため驚くことではないが、カソルラの抜けた左サイドの攻撃の再構築は急務であろう。両翼からの攻撃が揃えば昨季同様かなり力のあるチームになることは間違いないからだ。

監督のエメリはそれを期待してチュクエゼを右サイドに残したまま、久保を左サイドに配置したが、効果的な攻撃はできなかった。

一方、チームとしてのレベルは明らかに高く、一人ひとりの1対1でのパフォーマンスや意欲、ゲームに関与する個々の責任感からは、ラリーガは勿論のこと、欧州でも屈指の実力派のチームであることがうかがえ、今季のリーグでのCL圏内、EL制覇への本気度が伝わってきた。

さて、久保にフォーカスすると、見せ場なく終了。ボールタッチも数えるほどでまだチームへのアジャスト段階であることが色濃く出たと言える。

左サイドという昨季までの主戦場ではなく、かつチームとしても再構築中のポジションであったことも大いに関係しているが、一番の理由はまだチームメイトからの久保への理解と久保のチームメイトへの理解が双方とも十分ではないことによるものだろう。

まず、チームメイトからの久保への理解という点では、久保がどういうタイミングとどういう身体のアングルのときにボールが欲しいかがつかめていないということである。マジョルカに比べ久保の欲しいタイミングでパスを渡す技術は間違いなくチーム全体としてあるが、欲しいタイミングへの理解が乏しいのである。久保にとってもチームにとっても開幕までに理解を深めておきたいところだろう。

次に、久保からチームメイトへの理解という点であるが、これはマジョルカよりレベルの高いチームに来て時間の浅い状況のもたらす弊害かもしれない。久保自身欲しい位置にいても「ここは難しいから出てこないだろうな」という半信半疑の気持ちが見て取れるシーンも散見されたからだ。これはマジョルカ時代の価値観とも言える。今季は久保自身がチームメイトのクオリティの高さをより信頼していくことも大事になってくるだろう。

一方、興味深かったのは、久保が流れでセンターライン(トップ下)のポジションに入ったときが一番チームメイトがやりやすそうだったことだ。上述したようなお互いの理解不足の印象はかなり薄れた。恐らくこれはトレーニングや昨季のプレーの印象を通じてチームメイトがトップ下の特長を有する10番タイプの選手として久保を見ていることによるものだと思われる。

こうした状況を見る限り、チームにとっての理想は久保がカソルラのように左でのプレーメーカーもできつつ、トップ下で決定的なプレーをする選手となることだろう。そうすればエメリが使えるフォーメーションや選手起用にもかなり幅ができるからだ。つまり、リーグでのCL圏内、ELの制覇が現実味を帯びてくる。

いずれにせよ、エメリがこうした久保の能力をチーム戦術においてどう最大化していくのか引き続き注目していきたい。

最後にコンディション面にも触れておきたい。この試合を見る限りチームメイトよりやや遅れてて70%くらいの仕上がりであることがうかがえた。途中出場時上半身裸の映像もちらっと出たがまだ完全な仕上がりではなかったし、試合に入ってからもランニングペースやボールタッチのフィット感は十分ではなかった。

恐らく、昨季終盤が過密日程であったため、一度リラックスして蓄積した疲労を抜き、また1シーズン戦うために今作り上げ直しているところなのであろう。今シーズンは新チームへの加入がトレーニング初日からであったため精神的にも余裕があるのだろう。恐らく開幕に95~100%を目指しているのであろう。

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