久保建英マッチレポート ビジャレアルVSレバンテ(2020-2021プレシーズンマッチ③)

試合結果
1-2 レバンテ勝利
試合トピックス
4分 ビジャレアル最初のチャンス。久保のパスを受けたチュクエゼがペナルティエリア内でシュート。惜しくも外れる。
29分 ビジャレアルGOAL>>チュクエゼのクロスから、パコ・アルカセルが胸でワントラップしてシュート
34分 レバンテGOAL>>モラーレスのクロスをセルヒオ・レオンがヘディングで合わせる
62分 レバンテGOAL>>ペナルティエリア内に侵入したモラーレスが強烈なシュートを突きさす
63分 ビジャレアル選手交代。配置変更に伴い、久保はトップ下から左ワイドへポジションを変更。
65分 左サイドからペナルティエリア内に侵入した久保が左足でファーサイドにコンパクトなシュートを放つが、惜しくも外れる。
3
久保・ビジャレアル詳報
この試合で久保は4-2-3-1のトップ下で先発出場。引き続きモレノがスペイン代表に招集され不在であることも関係しているが、エメリは、4-4-2とともに4-2-3-1をチームのファーストセットにしてシーズンに臨むことを明確にしている。(ちなみに選手の配置については、そのときどきのシチュエーションによって選択していくのであろう。配置の選択肢としては、パコ・アルカセルはトップでチュクエゼは右。この二人は別ポジションの選択肢はなしで、モレノはトップかトップ下で久保がトップ下か左か右で考えていると思われる。)
さらに、ボールをロストした際の前線からの守備への切り替えもエメリの重要な戦術コンセプトだが、この試合ではこれまでのトレーニングマッチより明らかに切り替えが速くなっており、洗練されてきている様子がうかがえた。チーム全体のコンディションも上がってきており、来週からの開幕に備え順調な仕上がりと言えるだろう。
さて、久保であるが、この試合では、フィジカルコンタクトでもコンディション調整中の脆弱さがほとんど消え、終盤でもスタミナが落ちることなく先発フル出場を果たしている。開幕に向けコンディションは100%に近い状態と言えるだろう。
プレー面では、コンパクトなキックでのシュートを放ち、ドリブルでもファールを多数誘発するなどチームにとって貴重な特長を見せ始めており、開幕に向け期待感が高まる試合となった。
一方、ポジションであるが、久保の適性面では、エメリやチームメイトはトップ下として見ていることがこのプレシーズンで明らかになっているが、チームの最大の課題でありカソルラの抜けた穴でもある左サイドからの攻撃に久保を使いたいという思いも強くにじんでいる。この試合でも後半途中から久保を左サイドに配置しており、その後チーム全体で左サイドの攻撃を意識していたからである。それまでほとんど左を使った攻撃をしていなかったが、久保を配置して以降は左をどう活用するかチーム全体で思案しているように見受けられた。
先日のバレンシア戦でも久保を左サイドに配置していたが、そのときは久保やチームの仕上がりも十分ではなかったためほとんど攻撃を行えなかった。そのときのことを考えれば、久保のボールタッチも増え、一定のタメやアクセントを作れていたので大きく改善はしているが、やはりカソルラ時代のような脅威を備えるにはもう少し時間がかかるだろう。
加えて、久保はビジャレアルクラスであっても通常以上に相手チームからマークされる存在であることがこの試合でも明らかになっており(通常は右ワイドからの揺さぶりの際には逆ワイドの左サイドはマークのギャップや空間がそれなりにできるものだが、久保のマークはほとんど外れずギャップができなかったことからも相手チームから危険な選手として認識されていることがよく伝わってきた。左で崩したい周囲のチームメイトもマークが外れないので久保を使いたいのに使えない場面が相当数見受けられた。)、これをどう打開するかがチームがより上を目指すためにも久保が個人としてレベルアップを果たすためにも今シーズンの重要なメルクマールとなるのではないだろうか。
いずれにせよ、トータルで見れば、チームの仕上がりも久保個人の仕上がりも順調と言えるだろう。課題はあるものの、あとは長いシーズンを戦いながらそれを解消し、力を積み上げていくだけである。来週の開幕を楽しみに待ちたい。
【関連記事】
-
前の記事
ナミ編&ローグタウン編のあらすじと見どころ(ONE PIECE(ワンピース)ストーリー紹介③) 2020.09.04
-
次の記事
久保建英のビジャレアルでの2020-2021シーズンを展望する 2020.09.09