夢の対談その2!中村俊輔と久保建英のフリーキック対談内容まとめ

2022年7月31日にWOWOWにて放送された中村俊輔と久保建英のフリーキック対談番組の内容をまとめました。

この企画は1年前の二人の対談時に久保が中村にぜひピッチの中で教えてもらいたいという希望を語ったことがきっかけで実現したものです。

二人のファンだけでなく、すべてのサッカーファン・サッカー関係者にとってとても有意義な番組となっています。

濃密なノウハウを披露する俊輔とそれを即座に吸収していく久保を見ることができ、二人の傑出した才能も垣間見ることができます。

ここではその中村俊輔と久保建英の対談番組の内容について、要点をブログに書きおこしたいと思います。(※文中表記はすべて敬称・敬語略)

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久保のフリーキックについて(映像編)

(中村)(昨シーズンの国王杯でのゴール映像を見て)この蹴り方が一番蹴りやすい?

(久保)蹴りやすいとかは考えていない。球筋もフォームも毎回違う。

(久保)フリーキックを蹴るときはコーナーキックとシュートとの違いも意識していない。

(中村)同じフォームで蹴ることが正しいことではない。インパクトに集中していたら入ったりもする。ただこすり上げは意識している。

(久保)こすり上げだとボールが弱くなる。

(中村)(メッシの蹴り方が参考になるのでは?という前回の対談内容を受けて)メッシの蹴り方は独特。蹴った後足が上がらず、フリーキッカーっぽくない。だけどきちんとボールを上から降ろしている。上から降ろすほうがキーパーには難しい。

(中村)蹴る方の足の膝と足首の使い方が大事。ゴルフクラブのヘッドと同じ。

(中村)久保はもっと角度をつけてゆっくり蹴っていいと思う。

(久保)確かに自分は角度をつけずに単純にゴールが良く見える位置に立つ傾向が強い。

(中村)ちなみに、ジーコからはほとんどフリーキックのアドバイスは受けなかった。ただ「おとりのまたぎはいらない。自分がベストなキックをすることだけを心掛けろ」とは言われた。あと、「試合会場ごとに雰囲気などが違うからウォーミングアップ中に必ず一本はフリーキックだけに集中して蹴ろ」とは言われた。

久保のフリーキックについて(実践編)

~左足のキッカーの最も蹴りやすいペナルティエリア手前右斜め45度のポイントで久保がフリーキックを実践~

(中村)立ち位置は角度をつけたほうが良い。そうすれば自然にひねれるようになりボールを上から降らせることができるようになる。

(久保)そのやり方だとスピードがないと感じる。

(中村)ゆるめのキックでもいいからそのやり方から入ってスピードを調節していったほうがいい。

(中村)助走をゆっくりにすればボールが足に乗るようになる。

~中村のアドバイス通りに実践する久保。明らかにボールが壁を超え枠に飛ぶ軌道になる~

(久保)フォームはこれだ。

(中村)枠に飛ばすのは最も大事。壁を抜けるかもしれないし入るときは入るから。

(中村)蹴る位置で蹴り方は変えないほうがいい。変えるとキーパーに読まれてしまう。

~続いて左足のキッカーにとってはファーへのキックとなるペナルティエリア手前左斜め45度のポイントで久保がフリーキックを実践~

(久保)ファーを蹴れない。

(久保)試合でフリーキックのチャンスはせいぜい一本。だからファーは蹴れるメンタルもない。

(中村)ファーもニアと同じ蹴り方でいいと思うが、インパクトの強いキックでもいいと思う。

~中村のアドバイス通りニアと同じ蹴り方で実践する久保。明らかにボールの軌道が良くなる~

~さらに続いて右サイドからのポイントから久保がフリーキックを実践~

(久保)右サイドは自分が最もファウルをもらう場所。ここからフリーキックを決められるようになりたい。

(中村)蹴り方は今までアドバイスした蹴り方と同じでいい。ただセンタリングっぽくしながらぎゅんと蹴ったほうがいい。

(久保)あまり直接狙うオーラを出さないほうがいいのか。

~狭い角度ながらゴールを陥れるキックを見せる久保~

(中村)この短時間で吸収できる久保の才能を垣間見た。あとフォームは後から身に付けられるがインパクトの強さはそうではない。これも久保の才能。

(久保)今シーズンはこの蹴り方(角度をつけてゆっくり助走でボールを足に乗せる)でいってみようと思う。

実践を終えて

(久保)フォームをきっちり教わる気持ちでいたが、中村選手が自分の蹴り方でいいと言っていた意味がわかった。とても有意義だった。

(中村)久保の才能を感じることができて良かった。

(中村)カタールワールドカップではぜひ久保にフリーキックを決めて欲しい。そうすればWOWOWスタッフも喜ぶし日本国民も喜ぶ。

(久保)今年は2シーズンの気持ちでいる。ワールドカップ前とワールドカップ後で。まずはワールドカップを見据えてシーズンを過ごしたい。

いかがでしたか?

俊輔のアドバイスで明らかに久保のフリーキックは上手くなりました。

久保のフリーキックが上手くなることは久保自身の活躍もそうですが、日本代表が勝ち点を獲得する可能性が高くなることも意味します。そうした意味でこの企画は日本サッカーにとってとても重要な時間になったのではないでしょうか。

また、俊輔がフリーキックのノウハウをここまで開示したのは恐らく初めてだと思います。そうした意味でも貴重極まりない企画だったのではないでしょうか。

中村俊輔から久保建英へ。二人の間で紡がれたものが日本サッカーの未来を照らすことを願います。