久保建英マッチレポート U24日本代表VSU24ガーナ代表(2021.6.5国際親善試合)

試合結果

6-0 日本勝利

試合トピックス

5分 日本、相手のミスからペナルティエリア内で久保がボールを受けシュートを打つも、キーパーがセーブ

16分 日本GOAL>>右サイドのスペースに抜け出した久保がペナルティエリア内でディフェンスの股を抜くシュート。キーパーがはじきそのこぼれ球を堂安が押し込む

25分 日本、右サイドでボールを受けた久保がドリブルでペナルティエリア内に侵入。ディフェンスをかわして右足シュートを放つもキーパーの指に触れバー直撃

32分 日本GOAL>>ペナルティエリア内でボールを受けた久保が左足でゴール 【久保ゴール】

45分 日本GOAL>>右サイドの酒井のグラウンダーのクロスを相手ディフェンダーがオウンゴール

48分 日本GOAL>>縦のスペースに抜け出した相馬が右足でゴール

56分 日本GOAL>>中山の左サイドのクロスを上田がヘディングで合わせゴール

78分 久保OUT、旗手IN

89分 日本GOAL>>パス交換からペナルティエリア手前でボールを受けた三苫が相手ディフェンスを外し右足シュート

久保・日本代表詳報

久保は78分間の出場となった。

この試合のMVPと言っていいだろう。

1ゴールを決めチームの攻撃におけるすべてを牽引した。

試合展開を読んだ適切なポジショニング(右サイド(相手にとっての左サイド)が攻めるポイントと見ればそこに張り出し、逆サイド(左サイド)に相手の視線を引き付ける必要があるときはそちらにポジションを移し崩しのプレーを見せ、ショートカウンターで仕留めるべきときはセンターにポジションを取りFWを追い越す、など)、ゴールに向かうドリブル、周囲を縦に推進させるパス、そして自らのフィニッシュ。

フィジカルコンディションも決して高くなく、ミスもあった(ゴールやアシストを決めるべきプレーは複数あった)が、それでもチームに対し随一のクオリティを供給し、ピッチ内の22人の中でゲームに対する影響力を最も発揮し続けていた。

そしてなんといってもゴールを決めたことがこの評価となる最大の理由だ。

先日の日本代表との試合のマッチレポートで、筆者は以降はプレー内容より結果(ゴール)を彼にとっての絶対的な評価の尺度としたい旨書いた。かたちは関係ない。とにかく彼にはゴールを決めることを求めた。

この試合では、その期待に応えたため、こうした評価となったわけだ。

ここから毎試合1ゴールをノルマとしたい。そうすれば、いやそうでなければメダルは見えてこない。それにゴールを決める能力の向上は久保の来季にとって大きな遺産となるはずだ。

さて、試合全体のこと、日本代表のチーム全体のことについても言及しておく。

ガーナはアフリカのチームらしく色々と粗さのあるチームであった。アフリカのチームは5分5分のボールに対し1対1で勝利できないとなかなかうまくいかなくなることが多いが、その通りオーソドックスなアフリカチーム的な試合展開となった。

移動疲れや時差、コロナ対策による様々なレギュレーションの遵守などでストレスがあったことがこうした内容となったことに影響したのだろう。また、五輪本番には出場しないチームであるためモチベーションという面でも高いレベルを維持するのは難しかったであろうことも想像に難くない。

なので、日本としてみれば、本番の南アフリカ戦のシミュレーションとしては物足りなかった。(日本は先日のA代表とのトレーニングマッチで目が覚めていたため余計プレーテンションにおける差があった。)

加えて、戦術の積み上げやチーム力の底上げという意味でもあまり有意義ではなかった。

監督代行なので仕方ない面もあるが、森保監督同様、選手交代は打つ手のレベルがあまりにも低かった。本番を想定し18人しかいないという前提の中で様々な状況に対し解決策を見出すためのコーチ陣のトレーニングがまたしてもできなかった。

選手よりコーチ陣のレベルアップが必要なのは明らかであり、こうした数少ない国際親善試合は貴重な機会なのだが・・・。

日本お決まりの本番で経験したことも想像したこともないような状況に陥り、あわてふためき敗れていくという姿はもう見たくない。

本番までの時間は少ない。選手選考は大方見えているはずなので、ここからは、さらにそこを追求し続けたい。

最後に、五輪の登録メンバー選考という面では意義のある試合となった。

オーバーエイジ枠を組み込むスカッドを前提にした選手起用、久保を軸とした攻撃陣の組み合わせを試す選手起用ができ、その中で個々の選手がどういうパフォーマンスができるかの確認ができた。

この試合を見た多くの人が選ばれる18名については見当がついたことだろう。

もう選考は終わりだ。次の試合こそは本番に向けた有意義なゲームとなるよう期待したい。