月末1日前退職を勧められたらどうすべきか。

会社等を退職する際、通常月末日退職で差し支えないところを会社から月末日1日前退職を勧められるケースがあると思います。(例.実質9月30日付退職だが、書類等での退職日付を9月29日付にするというケース)

そのとき会社からは「健康保険料、年金保険料の支払いの面で得をする」という説明があり勧められると思います。

本当に得するか気になっていても辞める段になって会社と揉めたくないという理由でそのまま会社の言うことに従う人もいるかと思います。

でもそれはお勧めできる行動ではありません。

月末1日前退職でも保険料の支払いの面で得をすることはほとんどない!

月末1日前退職について会社が「得をする」と勧めてくるのは、退職月の給与において、健康保険料、年金保険料の控除(給与からの天引き)がないことから、手取りが増えるという意味での得ということを言っています。

健康保険・年金保険とも前月1か月分を翌月に納める制度となっています。つまり、月末1日前に退職した場合、その月中での資格喪失となるため、退職月当月あるいは翌月の最終給与において、その分の天引きがなくなるということなのです。

しかし、これは一見最終給与における控除額が減り得するように見えますが、そうではありません。退職月の健康保険料、年金保険料は未払い扱いとなり、結局、退職した月の分はどこかで支払う必要がありるのです

期間を空けず退職した月の翌月1日付で違う会社に転職したとしても、退職した月は未払い扱いとなるため、国民健康保険料、国民年金保険料として自身で納める必要が出てきます。(健康保険・年金とも後日通知書や納付書が自宅に届いたりします)

また、支払額の面でも得するケースはほとんどないと考えられます。というのも会社に所属して支払う健康保険料(被用者保険料)、年金保険料(厚生年金保険料)はどちらも、自身のみならず会社もその費用を負担してくれていたりと制度上の優遇措置が自身が個人で納める場合の国民健康保険や国民年金よりあるものです。

よって、得をすることはないと考えたほうがよいでしょう。

会社が月末1日前退職を勧めてきたら、会社ときちんと話そう!

会社が月末1日前退職を勧めてくることがあっても、多くの場合、退職自体が円満に認められていれば、1日前か末日かは手続き上の問題なので、きちんと相談すれば、意向に沿ってくれることが多いと思います。

恐らく会社側からしてみれば、保険料の自社負担分がわずかでも減るので、”ダメ元”で言ってきている可能性も高いです。ですが、1人分の保険料負担なんて組織から見れば経営に負担となるような類のものではありません。

そもそも月末1日前退職を勧める会社自体少ないと考えられることから、マイナーな対応でしょう。そうした世間常識的観点からも毅然と対応して問題ないと思われます。

ちなみに、雇用保険は、健康保険や年金と違い、日割り計算で納める仕組みとなっているので、月末1日前退職における損得の問題は生じません。

★こちらもどうぞ↓