夢の対談!中村俊輔と久保建英の対談内容まとめ

2021年8月14日に放送された(※収録は東京オリンピック前の6月下旬)WOWOWの特別番組内で実現した中村俊輔と久保建英の対談の内容をまとめました。

非常に興味深い内容となっています。

特に二人のファンあるいはファンタジスタ、10番タイプの選手が好きな日本のサッカーファンにはたまらない内容です。

ぜひ、ご参照ください!(※文中表記はすべて敬称・敬語略)

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二人の出会いについて

(久保)最初の出会いは、U17日本代表の激励会に中村選手が来てくれたとき。

(中村)最初に久保を認識したのは、川崎の下部組織時代。小学生でバルサに行くという話が取り上げられていたときで、とうとうこういう選手が出てきたのかと思った。

(久保)最初に中村選手を認識したのは、小さい頃にサッカーのニュースとかで良く見たフリーキックの映像。あとバラエティ番組の企画でフリーキックをテレビで見たのは印象に残っている。

(中村)ピッチ内で最初に会ったのは、久保の東京時代に対戦したとき。ボールタッチの細かさとかから違うステージに行く選手だと思った。

ラ・リーガについて

(中村・久保)スペインのラ・リーガは当初から自分に合っていると思っていた。

(中村)ただ、練習でやるロンドから日本やスコットランド、イタリアとは違っていた。ストッパーの選手も日本代表のボランチクラスの選手より上手かった。

(久保)一人で局面を打開できる選手がチームに複数いるのがラ・リーガのレベルの高さ。

(中村)スペインは洒落たプレーより一人で局面を打開するプレーのほうが評価が高い。エスパニョール時代はそれでポジションを奪われた。久保のプレーを見ているとそれを意識していていいと思う。

(久保)個のアピールがとても重要。チーム内競争では他の選手をどう出し抜くか常に考えている。同時にコミュニケーションも大事にしている。仲良くなればやはりボールが来ることも増える。

フリーキックについて

(久保)相手にファールしておけばいいやと思われる選手にはなりたくない。中村選手にもメッシにもそういう雰囲気がある。そういう選手になりたい。

(中村)あのフォーム(※中村特有の軸足の右足を大きく曲げて身体を捻ってインパクトするキック)は練習を積み重ねる中で自然にできた。キックは体型の違いとかもあるから人それぞれ。でも、久保にアドバイスするとすれば、壁に当てているシーンを良く見る印象があるので、ボールをもう少し掬い上げることを意識したほうがいいかもしれない。強いキックを蹴ろうという意識が強すぎるのかもしれない。体型も似ているしメッシのキックが参考になるのでは。メッシのキックはインパクトはそれほど強くなくボールの滞空時間が比較的長い中でうまく飛ばしている。

(中村)キーパーとの駆け引きについては、自分はよく試合前のアップをしているときの相手キーパーを観察していた。先読みするタイプがそうでないかなどそういうときにわかる。そしてそのタイプに応じて試合中フリーキックを蹴っていた。セルティック時代のユナイテッド戦一戦目のゴールはファン・デル・サールが自分のことを知らないことはわかっていて、さらにニアサイドを空けて誘っていたので、少しキックテンポを早めてそのニアサイドに蹴った。

チャンピオンズリーグについて

(中村)セルティック時代にビッグクラブと対戦できたのは大きな財産。あとやはり特別な雰囲気のある大会。セルティック時代ホームで3-0で勝った相手にアウェーでは0-3で負けた。ホームかアウェーかに加え国が違う相手との試合で得られる経験は大きい。

(久保)やはり最も話題になる大会。ニュースなどでも大きく取り上げられるし、1シーズンこの大会で活躍した選手はその後5シーズンくらいはサッカー選手として成功しているイメージがある。早く出たい。

10番について

(中村)10番は特別。今はそういう価値観が少しなくなってしまったかもしれないが、久保にはぜひ日本代表で10番をつけて欲しい。

(久保)10番は一番好きな番号。次に好きなのは7番。バルセロナでは10番を好んでつけていた。プロになってからは、レンタルや飛び級でしかチームに所属していないので、その場合10番は空いていない。だから今は何番でもいいという感じになっている。代表でも早く相応しい選手になって10番をつけたい。

(中村)久保が10番を好きでいてくれて嬉しい。代表で10番をつけて、代表でのプレーを大事にしてもらえれば。

(久保)そういえば、10番の役割はバルセロナと日本ではだいぶ違った。それにアジャストすることも必要だった。

(中村)10番の役割は時代とともに変わってきた。自分が好んでいた10番像は真ん中にどんといるタイプ。自分と同じ時代で言えばリケルメやアイマール、ルイ・コスタなど。でも次第にそのポジションはなくなりサイドか一段後ろに置かれるようになった。自分はサイドに置かれるようになったが、そこではより局面を個で打開するプレーが望まれる。それができなかった。チームにとって良い部品にはなれなかったということだと思う。でも自分の好きな10番像を目指してプレーしてきたから悔いはない。

ワールドカップについて

(久保)早く出たい。

(中村)次の世代に道をつくるという意味でも日本にとっては重要な大会。選手にとっては出たことがあるのとないのとではサッカー人生が大きく違う。

(中村)世界との距離感については、昔、日本代表のスタメンが全員海外でプレーしているくらいにならないと世界に追いつけないというような発言をしたこともあるが、今はベンチまでそうなっている。だから確実に選手のレベルは上がっている。監督やスタッフが選手を使いこなせないくらいの状況になっている。

久保のこれからについて

(久保)リーガでも上のレベルの選手になりたい。試合を決められる選手になり、オーラや知名度も含め相手が飛び込んでこれないくらいの選手になりたい。

(中村)自分の経験では、自主練習・個人練習が一番うまくなる。その練習の成果が試合に出る。コンフェデ杯のフランス戦のターンなんかあれ一回しかできていない。あんなプレーの練習なんかしたことないがゾーンに入ったときに自分の練習の成果としての動きが出たんだと思う。

(中村)経営者の方とかと食事する機会もあるが、そのときに言われたことで印象に残っているのが、超一流になるには周りに超一流がいることが大事になると言われたこと。自分は一流ではあったかもしれないが超一流にはなれなかったから、この言葉は印象に残っている。

(中村)久保にはぜひビッグクラブでプレーしてほしい。自分たちのまだ見ていない景色を見せて欲しい。そしてその経験を日本にも還元してほしい。

対談の感想

(中村)久保と話した感じはイメージ通り。サッカー好きなんだな、サッカー上手くなりたいんだな、というのがよく伝わってきたし、考え方もしっかりしていて向上意欲もある。

(久保)ぜひ、次はピッチでアドバイスしてほしい。横で見てるだけでも得られることがあると思うので。

いかがでしたか?

久保はいずれ俊輔以降不在だった日本の真の10番、日本のファンタジスタの系譜に名前を連ねることになるでしょう。

この対談はそういう意味でも非常に貴重です。

特に俊輔の10番論とフリーキック論は、久保にとって良い刺激とアドバイスになったのでは、と思います。

久保のこれからと俊輔のサッカー人生に幸多き事を願います。

それはきっと日本サッカーにとっての幸せにも繋がるはずです。

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