久保建英マッチレポート U24日本代表VSU24メキシコ代表(東京五輪3位決定戦)

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試合結果

1-3 メキシコ勝利

試合トピックス

13分 メキシコGOAL>>ドリブルでペナルティエリア内に侵入したベガに遠藤がファウル。PKをコルドバが決める

22分 メキシコGOAL>>左サイドの直接FKからバスケスがヘディングを合わせゴール

30分 日本、林がミドルシュートを放つが、キーパーがセーブ

58分 メキシコGOAL>>左サイドのCKからベガがヘディングで合わせゴール

78分 日本GOAL>>久保が右サイドから中央にドリブル。左サイドの三苫にパスを通す。パスを受けた三苫がドリブルで相手ディフェンスを抜きシュート

久保・日本代表詳報

日本の東京オリンピックでの冒険が終わった。

結果はメダルに届かず、4位での終戦となった。

グループリーグでは勝利を収めることができた相手であったが、残念ながらこの試合に関しては完敗であった。

敗因は色々あるが、最も大きかったのは、メキシコのゴールが生まれた時間帯がパーフェクトであったことだ。

前半と後半の立ち上がり15分以内にゴールを奪われたチームはサッカーではかなりの確率で勝てない。

さらに、2点目が先制点の直後であったことも日本にとってはダメージとなった。グループリーグで日本がやったことをそのまま返された格好だ。

しかも内容はすべてセットプレーである。緊張感の高い試合ほどセットプレーの重要度が高まるのもサッカーでの定説だが、それをそのままメキシコに実践された。

完璧な時間帯でのセットプレーでの3ゴール。

これをされて勝てるサッカーチームは存在しない。メキシコにとってはまさに教科書通りの勝ちパターンであり、日本にとっては教科書通りの負けパターンであった。

しかし、これは日本にとってのアンラッキーではなかった。客観的に見れば必然であったように思うからだ。

この日の日本は今大会で最も試合への入りが緩慢であった。準決勝で敗れたことによりチームのモチベーションの低下があったことに加え、直前での試合開始時間の変更(繰り上げ)という前代未聞の出来事により、メンタルコンディションが中途半端だった印象だ。

チーム力もフィジカルコンディションも日本とメキシコは大差なかったが(準決勝は日本・メキシコ双方とも120分戦っている)、経験には差があった。

国際大会での経験が豊富な百戦錬磨のメキシコは緩慢な日本の雰囲気を見逃さなかった。

それがこのスコアとなって現れたと言っていいだろう。

今大会はここまで集中力をきらさず脆弱さを見せなかった日本だが、最後の最後で”日本らしい”負け方をしてしまった。脆弱さを見せてしまった。

試合前のアクシデント、それによる集中力の欠如、そしてそれを見逃さない敵に奪われるゴール。

この課題は、日本人の国民性にも由来するものなので、ある種永遠の課題のようにも思うが、若い選手にはぜひ今後の教訓としてもらいたいものである。

さて、久保であるが、この試合でも相手にとっての最大の脅威となっていた。

いつも通り、彼がボールを持つことで日本の攻撃が生み出された。

しかし、試合の趨勢が決していた時間帯での三苫へのアシスト以外は、日本にとって有益な結果をもたらせなかった。

日本は久保が点を取れなければ勝てないチームである。よって必然的に評価は低いものになる。

久保は、グループステージでは間違いなく大会MVPであったが、トーナメントから沈黙した。それが日本がメダルに届かなかった最大の要因だろう。

久保の東京オリンピックでの冒険は終わった。

残念ながら良いかたちでは締めくくれなかった。

しかし、この大会で得たものも大きい。自覚や責任感それに基づくリーダーシップを見せてくれたし、独力でペナルティエリアに侵入し、ゴールに迫る術も身につけた。

久保の冒険はクラブシーン、そしてフル代表のシーンでまだまだ続く。

次の試合に期待するだけである。