[久保MR]レアル・ソシエダVSレアル・マドリード(2022-2023ラ・リーガ第33節)

[久保MR]レアル・ソシエダVSレアル・マドリード(2022-2023ラ・リーガ第33節)

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レアル・ソシエダVSレアル・マドリードの試合結果

2-0 レアル・ソシエダ勝利

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レアル・ソシエダVSレアル・マドリードの主な試合経過

5分 【マドリー】チュアメニがミドルシュート。キーパーがセーブ

8分 【マドリー】左CKからミリトンがヘディングシュート。キーパーがセーブ

14分 【ソシエダ】久保の右CKにスビメンディが左足で合わせるもクロスバー直撃

18分 【ソシエダ】スビメンディの素早い縦パスに反応したセルロートがミリトンを振り切り、ペナルティエリア内でシルバにパス。シルバが左足でダイレクトで合わせるもキーパーがセーブ

46分 【ソシエダGOAL】ミリトンがクルトワへのバックパスをミス。ペナルティエリア内に詰めていた久保がミスパスをかっさらい左足でゴールに押し込む

54分 【マドリー】クロースがミドルシュート。キーパーがセーブ

73分 久保OUT、バレネチェアIN

84分 【ソシエダGOAL】シルバの縦パスからペナルティエリアに侵入したバレネチェアが右足でニアサイドに鋭い右足シュート

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レアル・ソシエダVSレアル・マドリードにおける久保のマッチレポート

興奮するゴールだった。

久保の先制点である。

ミスパスからのゴールでこんなに興奮することはそうそうない。

2試合連続今シーズン8得点目となったゴールという事実に加え、なにより世界最高のクラブであるレアル・マドリードから奪った点だからというのも勿論あるが、それ以上にソシエダのチームとしての集中力の高さが実ったかたちだったからだ。

この日のソシエダは気合十分だった。

タイトな試合日程の中の試合であるにも関わらず開幕直後のようなチェイシングを序盤から見せた。ホームスタジアムの今シーズン一の声援が後押しになっていたことは大きかったがそれにしても素晴らしかった。

来季のチャンピオンズ・リーグ出場を目指すソシエダのほうがリーガ優勝はほぼ絶望的でこの後に国王杯決勝やチャンピオンズ・リーグ準決勝を控えるマドリーよりこの試合に懸けるモチベーションが高かったことは事実だが、それを差し引いてもソシエダの集中力とインテンシティはハイレベルだった。

ソシエダはリーグ後半戦から前半戦のような強さは陰っていた。脆弱さや淡白さを見せる時間も増え、勝利をつかめない試合も増えた。

しかし、この試合ではそれがなかった。

その集中力が生み出した得点だった。

そしてそれを久保が沈めるのだから日本人ファンとしてはたまらない。

さて、そんな久保についてだが、このゴールによる日本人選手リーガ最多得点記録更新などおまけの記録に過ぎないと言うべきだろう。日本人選手基準で久保を測ることはもはやナンセンスとまで言える。

試合前の記者会見ではアンチェロッティが「クボの動向は注視し続けている」と発言しており、先般はシャビからの興味も報じられている。シルバとの連携についてもスペイン国内でピックアップされ、もはや当然のようにリーガを代表する注目選手の一人となっている。

(ちなみに、久保はインタビューでシルバからのアドバイスや受けた良い影響について「(ギアをすぐに上げてプレーしてしまう自身に対して)止まれ。そして見ろ。スペースはいつだって存在しているんだ」といったアドバイスを受けていることや37歳のシルバのチェイシングはチームに良い影響を与えていることを明かしている。この久保のコメントはそのまま久保自身のパフォーマンスに良い影響を与えていることは一目瞭然だろう。特にアドバイスについては久保の成長を間違いなく促している。今シーズンの久保は緩急の使い方が抜群にうまくなった。もともと相手の逆をつくことに長けた選手だが、今までは主にドリブルあるいは狭いエリアでのプレーのみに使われていた。しかし今シーズンはドリブル・パス・トラップ・シュート・スプリント、すべてのプレーで緩急を使いこなしている。つまり”時間”を操れるようになった(時間を操る能力というのはメッシ、イニエスタ、シルバに代表される小柄な偉大な選手が共通に持つ特殊な才能だ。シルバは久保がそれを持っていると一瞬で理解したからこそこうしたアドバイスをしたのだろう。久保にとってシルバとの出会いは引退後振り返ったときキャリア最高の出会いと言えるようになるのかもしれない。)。そのためプレーアングルやスペースを常に確保できるようになり、すべての局面で優位性を持つことができるようになった。それがプレー精度の向上に繋がりゴールやアシストという結果に結びついている。左利きが揃うチームのプレー感性にマッチしたこと、受け身ではなくボール保持を哲学としているチームに入れたこと、久保自身シュート精度の向上に励んでいることもゴールやアシストに繋がっている理由だが、時間を操れる能力を発揮できるようになったことが最大の理由だろう。)

ビッグゲームを制した久保は高みへと突き進み続けている。

次の試合、次の試合、次の試合、、、。

まだ底は見えない。

どこまで行くのか見届けたい。