転職(退職)はいつすべきか、すべきでないか(体験談から)

転職(退職)はいつすべきか、すべきでないか(体験談から)

転職(今の会社等を退職)はいつがすべきときなのか、すべきでないときなのか、迷ってる人は多いと思います。

そんな人たちに、多くの転職を経験し在籍期間もバラバラな筆者が、その経験を踏まえ「いつすべきか」と逆に「すべきでないか」について、紹介したいと思います。

何か一つでも、少しでも、迷っている人のヒントになれば幸いです。

Advertisement

転職(退職)はいつすべきか

仕事の拘束時間が長いとき

残業は月60時間まで、100時間までなど就業時間については様々なルールがありますが、これには意味があります。

仕事の時間がこれより長いと自分で自分を見つめなおす、自分を感じる時間がなくなり、人生に対する判断力が鈍ります。あらゆる出来事に対し、複数の選択肢を考える人としての発想が減退し、無自覚のまま身体的不調が起こり、心理的不調も悪化します。最悪の場合重病か自ら命を絶つことにもつながってしまうでしょう。

よく自殺のニュースで見聞きする分には、なぜこんなことで自殺したのかと思うことも正直あると思います。しかしこれは恐らく自殺にまで至るような状態の人はそういう判断ができなくなってしまっているのです。命の電話に電話をかけてみるなどの判断すらできないのは想像に難くありません。

やりがいを感じていたり人間関係が良好なときはこの蝕みに気づかないかもしれません。ですが、自分のことを考えられる余裕のあるうちに、転職(退職)を考えたほうがいいです。もともと拘束時間の長い職場ほど、状況が変化したらあっという間に自身にとってリスクになる可能性が高いと思います。

1日の睡眠・仕事・プライベートに費やす時間は、それぞれ8時間・8時間・8時間の当分が最も適正であると言われているのは有名ですよね。

Advertisement

仕事により心身の不調があるとき

これは間違いなく環境を変えたほうがいいです。ストレスなどにより日々心の不調はあるものですが、特にその心の不調が身体の不調に表れ始めたら間違いなくあなた自身が発しているサインです。

よく眠れない、胃が痛い、疲れがとれない、内臓がどこか調子悪い、熱っぽい、昼だるい、昼食後や会議中異常に眠くなる、集中できない(資料やパソコンの画面上の内容が頭に入ってこない)、メールを打つのに内容がまとまらず異常に時間がかかる、報告やプレゼンが的を射ない、悪酔いする、酒に弱くなる、食欲が減退する、など、社会人人生で自分が比較的好調だった時期と比べてこうした症状が自覚できるようになったら、アウト(実際の病)一歩手前と考えていいと思います。

細かい要因は人によって色々あると思いますが、これは要は今の環境が自分に合っていない状況になっているということなのです。人間関係でも仕事内容でも職場の文化・風土・雰囲気でもなんでもとにかく身体が拒絶反応を示しているということなのです。

そして身体の不調が悪化し、嘔吐など生活不調を超え実際の症状として現れたらその時点で実際の病である可能性は極めて高いです。この時点でうつ病などの心の病となんらかの身体的疾患を併発していることでしょう。こうなってからでは遅いです。実害を被るのはあなたの代替が効く会社ではありません。痛い思い、辛い思いをして病に伏せるあなたなのです。

頑張れば頑張るほど身体は悲鳴を上げ続けます。これは身体の防衛本能なのです。こうした場合は生物としての本能に従いましょう。決断は早いほうがいいと断言します。

Advertisement

自分の人生にとって差し迫った明確な理由が複数あるとき(運命を感じたとき)

親の介護、家族の入院など自分だけしか世話する人がいない身近な人の人生に仕事をしていてはできない大きな責任を持つ必要があるときがきたら人生の進路を変えるべきタイミングだということでしょう。人によっては運命と感じて決断することもあると思います。

また、昔から夢(やりたいこと)があって、それを成し遂げるのにこれ以上ないタイミングであり、ここを逃したらもう二度とチャンスは来ないとひらめいたときもこれに該当するでしょう。

曖昧な感じ方ではなく、この機を逃したらやりたいことをかなえるために必要なこの人とは二度と会えない、こうした場には二度と巡り合えない、など、”このタイミングだからこそ自分の中でいくつも強い理由が見つかる”ときは運命の分岐点だと思って間違いないと思います。

結果選んだ進路がうまくいかなくても後悔はしない(少ない)ので、人生が実りあるものにならないはずはありません。

どんなゲームよりも面白い”人生”というゲームの主人公は自分自身なのです。

Advertisement

転職(退職)すべきでないとき

人間関係に不満があるとき

誰にだって不満はあるものです。万人とストレスなく仲良く社会生活を送れることはありません。上司、先輩、部下、後輩、同僚、仕事相手などとそりが合わないなんてことは日常茶飯事かと思います。でも全員がそうでないとは思います。中には馬が合う人、仲良くできる人、尊敬できる人など0ではないはずです。

上述したように心身の不調が現れたら自身で処理できる範囲を超えているということですが、そうでないなら心の持ちようや距離の取り方など工夫できることは工夫してみましょう。成功した場合は人生経験がレベルアップしますし(例えば、自分とは合わない○○さんとうまくやりとりできるようになった、というだけでも大きな達成感があります)、失敗した場合は心身に不調に表れることになるので決断をしやすくなるはずです。

何もせず漫然とストレスをため、例えばお酒を飲んで発散するを繰り返してもやもやしているうちは転職は考える必要はないというあなた自身のサインだと考えていいと思います。大きな問題ではないと思っているんです。

この状態で転職しても同じことを繰り返すようになります。それも人生ですが、不満による転職ハードルがどんどん下がっていくので結果人生の選択肢を自分の中で狭めていくことにつながってしまうと思います。

Advertisement

大きな嫌なことがあり、激情に突き動かされているとき

例えば、上司や先輩に怒られた、仕事相手から怒声を浴びた、嫌いな奴、そりが合わない奴が上司になる、同期や後輩ばかりが評価されるなど、「辞めてやる!」と激情に駆られる瞬間は誰にでもあると思います。この瞬間激情が沸点に達し転職(退職)の決断をしてしまうと、やはり後悔します。

他の人間関係や仕事内容、風土や文化など自分にとってそれほど嫌だとは感じていない中、一つ大きな嫌なことがあるとその瞬間余計強く嫌な思いを感じてしまうものです。普段日常の仕事生活に対して自分にとって”合っている”という思いは特段抱いていなくても、そういうときは実は自分に”すごく合っている”ということなのです。転職の多い人には賛同頂けると思いますが、これってものすごく貴重なことです。

こういうときは、そうしたことを改めて自覚したうえで、時間を置き(人や出来事によってその期間は違うと思いますが)クールダウンしましょう。得てしてクールダウンしている間に嫌な出来事を忘れるくらい良いことがあったり、嫌だと感じていたことが杞憂に終わったりすることがあるものです。

Advertisement

経済面や待遇面で不満があるとき

誰にでも何かしら不満はあると思います。会社の経営状況といったマクロ的な視点でもそうですし、自分に対する評価が低くポジションや給与水準・賞与水準が上がらないといったミクロ的な視点でもそうでしょう。

しかし、これを理由にした転職(退職)はお勧めしません。勿論収入が支出と見合わない人生である場合は理由になりますが、多くの場合、一度は入社を決めている以上そこに大きな齟齬はないはずです。

であるならば、これを理由とはすべきではないと考えます。転職を考える際には待遇面でより良い条件を探し、実際に見つかることも多いものですが、今の待遇より良い場合は、面接時等ではわからない仕事の負荷がその分あるものです。

勿論上昇志向で望んで頑張ることを動機としている場合はそれでもいいのですが、現職の不満を動機としているときは、多くの場合転職先に無意識にないものねだりをしてしまっているものです。

自分の力量(何も仕事のスキルだけではなく人間関係のスキルや組織の文化・風土になじむスキルなど)を超える負荷となり、あとで前の職場での給与は自分に見合っていたんだと知り後悔するケースも多いと思います。

さらに言えば、こうした待遇面の動機だけでは、次の職場でもストレスや不満が同様に生じた際に正直持たないです。人間は属しているコミュニティが自分に合っていると感じているときが結局一番強いと思います。

つまり、こうした不満の場合は、外にないものねだりをするような状況になってしまうより、中で改善を目指す思考になったほうが健全のように思います。

Advertisement

いかがでしたでしょうか。

何か一つでも、少しでも、迷っている人のヒントになれば嬉しいです。