久保建英マッチレポート U24日本代表VSU24スペイン代表(2021.7.17国際親善試合)
試合結果
1-1 引き分け
試合トピックス
15分 スペイン、ラファミルがこぼれ球をシュート。キーパーがセーブ
42分 日本GOAL>>久保が左サイドでの一対一を制し堂安にパス。堂安が左足でシュート
67分 久保OUT、上田IN
78分 スペインGOAL>>ペドリとの連携で左サイドを破ったミランダがグラウンダーのクロスを供給。このボールにプアドが左足であわせる
84分 日本、カウンターから上田が縦パスに反応しシュート。キーパーがセーブ
久保・日本代表詳細
両チームにとって有意義なトレーニングマッチになったと言っていいだろう。
日本にとっては、メダル獲得の視野感の中での現在地を確認できるという意味で有意義であったし、スペインにとっては日本のピッチ、会場の雰囲気、高温多湿さを確認し、それに慣れるという意味で有意義だったはずだ。
試合展開については、戦前の予想通り、スペインがボールを持つ時間が長くなり、日本が受け身になる時間が長くなる展開となった。
しかし結果は引き分けとなった。この結果は、スペインにとっては悪く、日本にとっては良い、という評価が可能だろう。
スペイン側にコンビネーションの粗さがあったことに加え、高温多湿の中でのコンディション調整や試合運びに慣れていないという側面があったことは事実だが、それでも質の高いプレーを見せていた中で、日本は集中力を切らすことなく戦い抜いた。
ポジティブに評価すべきことだろう。
が、この点に関してはこの試合のレギュレーション通り後半開始から大幅に選手を交代させたことを差し引く必要がある。
あれだけボールを保持された場合、60分過ぎたあたりから足はどうしても止まってくる。本番のレギュレーションの通りであれば敗戦という結果になっていた可能性が高い。
これを防ぐには、もう少しボールを持つ時間をつくりたいが、両チームの力関係を考えればそれは難しい。
本番で再び相まみえることがあれば、気力で頑張るしかない。
(今更言っても仕方ないことではあるが、そう考えると無観客は大きなマイナスだ。気力をつなぐホーム会場の大声援という手助けがないのは痛い。)
さて、久保であるが、合格点は与えられない。
これまで同様、アシストを決め、誰よりも積極的に動き、最もチームの攻撃を牽引したが、得点を奪えなかったからだ。
今までの相手とレベルが違うチームとの対戦で、ボールタッチがこれまでの試合から各段に減った中でのプレーとなったという事情は考慮されるべきだが、だからこそ、彼には独力でゴールを奪うことが求められる。
なぜなら日本は彼のプレーでしか局面を打開できないからだ。
日本は、チーム全員が集中し、走り、ボールを前に進め、ゴールを奪おうとする勤勉さはあるものの、それを相手に対する優位性として表現できる選手は久保以外にいない。(堂安も決定力を自分の武器としてチームの武器に昇華させているもののドリブルやパスなどで独力で局面を打開できるプレーはできない。)
1点目も久保のドリブルで一対一をガチンコで破ったことからチームに優位性がもたらされている。それ以外の場面でも独特のステップと細かいタッチで唯一相手に特殊な警戒心を抱かせている。(スペインの選手は皆久保をよく知っているという理由もあったからだろうが)
そうしたことを考えれば、彼にはこのレベルの相手にこそゴールを求めたい。
とはいえ、この試合を見る限り期待を抱かせる内容ではあった。
こうした要求を本人も自覚しているのだろう。
今までで最も意欲的なプレー内容だった。ディフェンダーに防がれたものの、劣勢の序盤で唯一シュートを2本放ち、1点目のアシスト以外にもレベルの高い相手に対して一対一の勝負をする意欲が旺盛だった。
スペインの同年代のメンバーには旧知の仲も多く、自分が負けていないというプライドやそれに基づくライバル心も特にあるのだろうが、本番ではこうしたプレーをすべての試合で見せ得点を奪ってほしいものである。
さて、なんだかんだと言ってきたが、いよいよ本番だ。
久保と日本代表の五輪での挑戦を応援したい。
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