[久保MR]レアル・ソシエダVSオモニア(2022-2023ELグループステージ第2節)

[久保MR]レアル・ソシエダVSオモニア(2022-2023ELグループステージ第2節)

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レアル・ソシエダVSオモニアの試合結果

2-1 ソシエダ勝利

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レアル・ソシエダVSオモニアの主な試合経過

29分 【ソシエダGOAL】ゲバラが見事な右足ミドルシュート

60分 久保IN、ショOUT

63分 【ソシエダ】セルロートが縦パスからシュート。キーパーがセーブ

71分 【オモニアGOAL】リスタートのこぼれ球からブルーノが押し込む

79分 【ソシエダGOAL】ショートカウンターから久保が抜け出し、セルロートに右足で相手ディフェンスの股を抜くスルーパス。久保のパスを受けたセルロートが左足で流し込む

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レアル・ソシエダVSオモニアにおける久保のマッチレポート

久保建英がチームを勝利に導く見事なアシストを決めた。

アシストの場面は久保のサッカー選手としての真髄が詰まっていた。

まず、相手からボールを奪った味方を確認した後、迂回するような動き直しからスプリントをしつつオンサイドでボールを受けた。

これはトップの選手として起用が続く久保の進化が見られる場面である。縦へのスプリントの旺盛な意識を持ちつつ冷静に相手のディフェンスラインを見極めて生粋のフォワードの選手のような動きを披露したのである。久保がトップの選手としての適性があることは以前から知られていたが、それでもソシエダに来るまではトップとして起用されたことは数えるほどだった。それがこの動きである。彼のサッカーIQの高さを感じる場面である。

次に、浮き球パスを見事にコントロールしスムーズに縦にドリブルを加速させていった。

このボールを受けるときのトラップの技術も見事の一言であった。パスは足元ではなくスペースへの浮き球パスであった。勿論パスの質は低くなかったが、それでも相手ディフェンスが詰めてくる時間がある浮き球パスである。コンタクトは避けられないケースが大半だ。しかし久保は右足太ももでスプリントのスピードを落とさないままスムーズに自分のコントロール下にボールを運びこれまたスムーズにドリブルに移行し加速していったのである。世界でもなかなか見られない芸当であり、久保の技術の高さが垣間見えるシーンである。

そして極めつけは、今シーズン初めて、ソシエダ移籍後初めてアシストを記した右足のパスである。

タイミングが完璧だった。キーパーが出てきそうなタイミング、ディフェンダーが寄せてくるタイミング、パスコースがなくなるタイミングのゼロコンマ1秒前にここしかないというところに利き足でない右足でスルーパスを供給した。

さらに恐るべきはランニングしている相手ディフェンスの股の間を通したことだ。久保得意の股抜きであるが、明らかに意図して通した。かのディエゴ・マラドーナが1986年のメキシコワールドカップで見せたカニーヒアへのスルーパスのように。

このアシストシーンから存分に感じ取れる。やはり天に選ばれた特別な選手である。久保が日本人に生まれたことに同じ日本人として感謝したい。

それにしても、今シーズンここまで久保のソシエダとの相性の良さとサッカーIQの高さ、技術の高さは目を見張るものがある。

2週間に4試合の過密日程が続くソシエダはローテーションを採用しているため、この試合では久保はベンチスタートとなっていたが、出場直後とリードを奪った後の戦術遂行能力が抜群だった。出場直後からアシストのシーンまでは2トップの一角としてプレーしたが、そこでは前がかりになっていた相手の裏のスペースを突く動きを忠実に行い相手を苦しめ、クラックの仕事をした。リードを奪った後は、ポジションを2トップから右ウイングに移動したが、そこでもタメをつくり相手が嫌がる仕掛けや動きをし続けた。

決勝点を導くアシストという結果だけでなく2トップ、右ウイングとして高い戦術遂行能力と影響力を発揮したこの試合での久保については、監督は恐らく100点満点をつけるはずだ(この試合でもシュートチャンスがあっただけにそれで一点決めていれば120点といったところだろう)。

さらに前節のユナイテッド戦では左ウイングで試合を決める動きを披露し、リーガの直前の試合ではシルバの代役としてトップ下で存在感のあるプレーをしている。

トップ、トップ下、右サイド、左サイドのいずれにおいても高い戦術遂行能力と技術力を見せ、高頻度で決定的な仕事をする久保は監督にとってはもはやなくてはならない選手のはずだ。

結果を出し続け影響力を発揮し続けることで監督だけでなくチームメイトやファンのハートもがっちりつかんでいることは間違いないだろう。

久保がスペインに渡って4シーズン。遂に久保の欧州での戦いがグッドサーキュレーションに入ってきた印象だ。

未だかつてないほど覚醒の予感が強烈に漂っている。