久保建英マッチレポート U24日本代表VSU24南アフリカ代表(東京五輪グループステージ①)

久保建英マッチレポート U24日本代表VSU24南アフリカ代表(東京五輪グループステージ①)

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試合結果

1-0 日本勝利

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試合トピックス

19分 日本、右サイドのクロスからペナルティエリア内でフリーとなっていた久保にボールが渡る。左足でシュートを放つが外れる。

43分 日本、ゴール前で得たFKを久保が左足で直接狙うが、惜しくも枠外となる。

71分 日本GOAL>>ペナルティエリア内右サイドでボールを受けた久保が相手ディフェンスとの一対一から左足でシュートを放ちゴールを決める。

78分 南アフリカ、右からのクロスにルーサー・シンがあわせるがキーパーがセーブ

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久保・日本代表詳報

遂に東京五輪が始まった。

アンダーカテゴリーとはいえ、正真正銘国際大会である。

今までの親善試合ははっきり言って全く参考にならない。

親善試合のときのようなゆとりは消え、選手とチームの本当の地力のみが問われる真剣勝負の場である。

このゲームもその通りの展開となった。

コロナの影響などにより調整不足が伝えられていた南アフリカだが、しっかりと日本を研究しゲームプランを組み、それを遂行していた。親善試合では絶対に見せない姿であり、シチュエーションである。

親善試合での快勝に慣れた日本のファンあるいは選手・スタッフには戸惑いがあったかもしれない。

そして、こうした戸惑いに対し打てる手がないのが日本である。しかし国際大会とはこういうものである。

大会前の予想通り動きのとれないベンチや選手を見るにつけ、いつもの国際大会での日本の負けパターンの雰囲気になっていた。ずるずるいき、試合終盤でゴールを奪われるというものだ。

しかし、日本にはそれを一人で打ち破ることのできるクラックがいた。

遂にナショナルチームにおいてその能力に相応しい仕事をした久保建英である。

本番はすべての試合がシビアである。そのときに試されるのが選手個人の本当の力量である。

海外でプレーする選手も増えてきた日本だが、国際大会でどの相手に対しても明確なプライオリティを発揮できる選手は久保だけである。

ゴールのシーンはまさにそれが現れた。

今シーズンは苦労したが、彼が戦ってるのは世界一のリーグである。

一対一を制すことのできる特別な能力があるからこそレアル・マドリードは彼と契約し、スペインでプレーしているのだ。

前半決定的な場面を2度外していた。しかしそこは外国人のようなメンタリティの久保である。それをプラスに変えて自信満々にシュートを放った。

軌道・スピード・インパクト・タイミング、すべてが世界基準であった。

ゴールシーン以外のプレーも全体的に素晴らしかった。

戦況を読み、チームの攻撃を牽引した。5人のディフェンスを敷き守備を固める相手に対しスペースをつくり、見つけ、自らのポジショニングや動きでそこをチームに巧みに突かせた。要所要所では守備にも戻りボールを奪った。

テレビで見てると簡単に見える人もいるかもしれないが、この複雑な作業を簡単にやってのけることができるのは日本では久保だけである。

彼なしの日本はあり得ないと誰もが思う試合となったことだろう。

彼こそがこの試合のMVPというだけでなく、開催国のエースであり宝石である。

次の試合から彼のマークは一層きつくなるだろう。相手チームは、彼の左足をきり、一対一は容易につくらないようにしてくるはずだ。ラ・リーガの各チームのように。

久保はラ・リーガではそれに苦労している。つまり、それを破ることができれば、久保がこの大会で成長したということになる。そしてその先にこそ日本のメダルと久保の大会MVPが見えてくる。

さあ、俄然東京五輪男子サッカーが面白くなってきた。

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